2017年5月18日木曜日

Landing Practice in a Pitts S-2S




八尋さんの友人がお描きになった、愛機Pitts S-2Sの絵をいただきました。新しいワイドブレードのMTV-9プロペラの特徴もしっかり再現されています。




ありがとうございます。大切に格納庫に飾ります。






楽しかった八尋さんとの一週間も過ぎて、ボスのエアショーパイロット、Sean D. Tuckerからの次の課題を与えられました。

エアラインも飛行学校も、どこも人手不足と聞かれますが、我々も状況は同じのようで、今年はボスのエアショーチーム、「Team Oracle」(https://www.oracle.com/corporate/teamoracle/index.html)のChallenger IIIのフェリーフライトに駆り出されることになりました。まずは、Challenger II(Seanが2009年まで使用した機体。現在は予備機として活用。)の離着陸訓練を100回終えるようにとのことです。




Challenger II

予備機のChallenger IIは、基本的にはPitts S-2Sを大幅に改造した機体です。出力を400HP+に増加し、主翼はエルロンを計8枚装備したWolf Pro 8 Wings、曲技飛行性能を向上させています。


















Challenger IIは改造と調整を徹底的に行われたPitts S-2Sで、一般に市販されているPitts S-2BやS-2Cよりも飛行しやすい印象です。しかし、この機体で難しいのは着陸です。

タイタニウム製の円筒形のメインランディングギアはスプリンギーな特性で、神経質なほどに繊細な着陸が求められます。通常のPtts S-2B/Cが1 foot(約30 ㎝)毎に滑走路に近づけて接地させるとすると、この飛行機の場合は1 inch(2-3 cm)刻みと言えるでしょう。三点着陸ではランディングギアのアライメントの関係で暴れてしまうため、接線着陸で慎重に滑走路に接地させます。




それでは、いざ離着陸訓練へ!




<動画> Wheel Landing Practice Pitts S-2S

日英両語で動画を作成してみました。着陸操作では「速度を保て!」と訓練中に厳しく伝えられます。確かに、加速性能の低い大型機やジェット機では、それは重要なことでしょう。でも、対気速度を保っていても着陸が上手く決まらないことも多いものです。何か欠けているとすれば、それは何なのでしょうか。




I love crosswind!

横風の練習もするべきですね。今日はNew Coalinga空港(C80)にやってきました。滑走路12-30に対し風向きはいつも020°-040°、完全な設計ミスです。今日も15KTS+で順調に吹いています。




<動画> Crosswind Practice Pitts S-2S

動画には残しませんでしたが、実は最初の3回は連続でGo-aroundしました。Go-aroundを危険なこと、恥ずかしいことと考えてはいけません。Go-aroundは常に最善の選択肢です。




Challenger III

見た目はほぼ同じですが、設計の段階からすでにPitts Specialではなく、我々は「Bi-Plane」と呼んでいます。Pitch方向の静安定はほぼ中立で、編隊飛行や曲技飛行はよいとしても、着陸時の接地操作が極端に難しい飛行機です。




Sean D. Tucker(中央)とファンの皆さま


ボスの大切な飛行機を、安全第一で、慎重に運びます。今年もSean D. TuckerとTeam Oracleの活躍にご期待ください。

2017年5月13日土曜日

夢に向かって


昨年8月にPitts S-2Cで曲技飛行訓練を行った八尋さんが、再び訓練にいらっしゃいました。お元気そうで何よりです。




八尋さんは海上自衛隊で飛行教官をされています。ご一緒できて光栄です。




曲技飛行訓練と並行して、今日は離着陸訓練を行います。では行きましょう!




King City空港のRunway 29を離陸して、左回りに飛行します。





<動画> Pitts S-2C 離着陸訓練

Pitts Specialの着陸進入は、人によって考え方が様々です。でも、私のモットーは「想定できるどのような状況でも、また最悪の事態に陥っても、無事に着陸が行えること」で、ここは曲げることはできません。今回も様々な状況を想定して離着陸を行いました。




Nice Flight!




私はこれまで、悩みながら、迷いながら、人の倍の時間をかけて飛行技術を習得してきました。飛行すること、乗り物を操ることなどに長けた方、そして習得技術の高い方は時折出会いますが、八尋さんもその一人のようです。




1週間たくさんの飛行を行いました。お互い、夢に向かってひたすら進みましょう!

2017年5月3日水曜日

Redfox Airshows 2018 Japan Tour




SAC Card(Statement of Aerobatic Competency Card、曲技飛行技量の証明書)の更新を終えました。今回の更新で、最低飛行高度が500 ftのLevel 3から、250 ftのLevel 2への移行も認められ、今後の飛行が多少華やかになります。






ただ、250 ftまでの飛行が認められたから、これまで行ってきた飛行をそのまま250 ft下げることができるわけではありません。個々の飛行種目には最低限必要なTotal Energy(対気速度+対地高度)があり、さらに個人の求める安全率が加わります。




Photo: Mr. John Krzesinski



そして、高度計の表示の遅れや誤差や、わずかな操作の違いで100 ftの高度は簡単に上下しますから、目標高度を100 ft下げる、また難易度の低いナイフエッジの飛行で250 ftへ降りることはあっても、私の基本的な飛行が大きく変わることはないでしょう。今後も安全第一で飛行を続けます。




<動画> 2017 Redfox Airshows (extended version)

SAC Card Evaluationで行った飛行です。新たな飛行がいくつか加わりました。



ここでお知らせです。

昨年、日本航空学園のご協力と、Pitts S-2Cの所有者のご理解とご厚意、曲技飛行仲間の皆さんの支援の下、航空学園の航空祭で曲技飛行を行うことができました。応援をしていただいた皆さまにも、改めてお礼を申し上げます。

ただ職場の予定などいくつかの事情が加わり、今年は日本での活動を辞退をさせていただくことになりました。皆さまとお会いすることができず、とても残念です。




Photo: Mr. John Krzesinski



もう一つのお知らせは、来年2018年、「Redfox Airshows 2018 Japan Tour」と題して、愛機Pitts S-2Sを日本に輸送し、日本の各地の航空祭でAir Show Performance Flightを行う計画についてです。皆さまに青空を見上げて、曲技飛行を楽しんでいただければ、こんなに嬉しいことはありません。どうぞご期待ください。




Photo: Mr Robert Martinez



引き続き、このBlogやFacebookを通して情報をお伝えしていきます。では、Stay tuned!

2017年4月21日金曜日

2017 Borrego Hammerhead Round Up 2


競技会の開始です。総参加者数は23人と小さな競技会でした。以前は40人から50人が参加する、一大イベントだったのですが。




少ない参加者にも関わらず、Unlimited Categoryに4人の競技者が集まったことは嬉しいです。他州の競技会では、Intermediate以下のみということもあったり、来ても他に参加者がおらず、競技不成立となることもあるようです。

また、Unlimitedに常連のTonanekoさん(HN)と、Sportsmanに山田健太郎さんが初参加して、日本人競技者が3人、さらに鐘尾さんはジャッジに参加と、国際色が豊かになりました。




暑いのは確かですが、気温は比較的過ごしやすく、助かりました。




風が強く、競技は一時中断です。




全ての競技飛行が終わり、これより4-minute Freestyleです。Smoke Oilの補給を手伝ってくださり、ありがとうございました。

KnownではRollを間違えて1つHZ(ハードゼロ、定められた飛行を行っていない)。Freeでは所々に細かな減点があり、シークエンスの改善が必要なことがわかりました。Unknownでは練習をしていなかったUpline上の3/4 Inside Snapで回転不足でHZ、そして全体的に余裕のない飛行でした。4人中3位、でも競技に参加し、無事に終えることができて嬉しいです。




4-minute一番手はSammy Masonさん。どうぞよい飛行を!




準備が整って、私も出発します。山田さん、息切れ気味の私を手伝ってくださり、ありがとうございました。 




4-minute Freestyleのジャッジの皆さん。 




4-minute Freestyleは音楽やスモークシステムの使用も許可されます。観客(?)が集まって、さながら小さなエアショーです。






ノズルのデザインの変更に伴い、流量調整を繰り返しました。消費量は少なく、機体への付着は少なく、それでいて十分な発煙量です。




<動画> 4-minute Freestyle

西風が強く、わずかの水平飛行でもあっという間に東側に流されてしまいました。もう少し工夫があってもよかったのにと、そこが残念です。




夕方の表彰式まで時間があります。ビジターセンターに来てみました。




3月の下旬までがサボテンの花が見ごろだったということです。 












かわいいサボテンたちでした。




表彰式です。Advanced Categoryの優勝はMattさん(中央)。Advancedの参加者が1人しか集まらなかったため、Intermediateに参加予定だったTommyさん(左)が、競技を成立させるために参加しました。初Advancedの飛行、おめでとうございます。




UnlimitedはSammyさん(中央)が優勝しました。初めてのUnlimitedへの参加で優勝という、素晴らしい快挙です。機体は180HPのノーマルPitts S-1Sというところも驚きです。US Nationalでも上位が確実の、素晴らしい飛行でした。




残念なところもありましたが、練習に競技に、実りのある6日間でした。鐘尾さんのクリティークで得られた情報を元に、研究を続けます。

2017年4月19日水曜日

2017 Borrego Hammerhead Round Up 1


指定された試験飛行を終え、南カリフォルニアのボレゴスプリングスへ向かいます。4月6日(木)から8日(土)、IAC Chapter 36主催による、恒例の「Borrego Hammerhead Round Up」という曲技飛行競技会に参加するためです。




強い北西風のため、GS(対地速度)が非常に速いです。最高で210 KTSを記録しました。




試験飛行は終えていますが、長距離の飛行は慎重に行うべきでしょう。レッドランズ空港で燃料給油と検査を行います。




ボレゴバレー空港に到着しました。燃料がまだ多く残っているので、空港や町の様子を見てみます。


・・・こうして見ると、12年前のことを懐かしく思い出してしまいます。2005年4月、同じようにこの競技会に参加したのでした。保存してある昔の写真をいくつか。




Pitts S-2B N117PS

3人で共同所有したPitts S-2Bで参戦しました。




数々の競技会で表彰を受けたハワードさんとGreat Lakes。 




懐かしい機体がちらほら見えます。




改装前の空港事務所で、日本から参加した宮崎さんと。




20人+がSportsman Categoryに参加して、2位から4位を日本人が占めました。私は総合で3位でした。


・・・思い出はこのくらいにして、時間を再び2017年に戻します。




私の到着とほぼ同じ時間に、私のコーチである鐘尾みや子さんが到着しました。競技会前の練習飛行で、クリティークをお願いします。よろしくお願いします。




ホテルに到着しました。




雄大な景色。




全ての建物や部屋は外側に独自の塗装をしていて、西部の町を表現しています。見て回るだけでも面白いです。




1階は牢屋。2階は保安官事務所です。 




お尋ね者は生死を問わず。賞金は$10,000だそうです。




こんな乗り物で旅をしていたとは。昔の人々の苦労は想像をはるかに超えます。 




練習期間中は4機の飛行機が忙しく飛んでいました。 




鐘尾さんには、クリティークにお手伝いに、いろいろとお世話になりました。Pitts S-2S、明日もまた一緒に飛びましょう!

2017 Borrego Hammerhead Round Up 2へ続く