2018年3月1日木曜日

2017 / 2018 Pitts S-2S 整備作業


引き続き、上側主翼の羽布の作業です。写真は1月初頭のときのものですが。各部分で寸足らずにならないように気を付け、まずは上面に羽布を置きます。





仮止めができたら、主翼を裏返して、接着していきます。





再び裏返して、規定の温度でアイロンをかけて、羽布を収縮させます。





今日は雨が降りました。昨年はたくさんの雨が降って水不足が解消しましたが、今年は雨の日が少なく、夏が心配です。雨雲、また来てください。





主翼の下面の羽布を貼ります。なぜ上面を先に貼り、次に下面を貼るのかと言いますと、そうすることで羽布の継ぎ目が目立たなくなるからです。写真は主翼の上面が上になった状態ですが、脚立にでも登らない限り、上側主翼の上面は目にすることがほとんどありません。反対に、下側主翼の羽布の場合は、下面をまず貼り、次に上面を貼ることで、継ぎ目が目立たなくなります。





主翼中央部分のボックスセクションはネジ止めです。以前はネジの頭部が目立っていましたが、今回はカウンターシンクのネジで可能な限り平滑にします。





お土産のお菓子を食べながら、縫い付けのおさらいをします。おいしい。





翼厚があるので、意外に縫い付けに時間がかかります。





内部構造を避けて縫い付けます。場所にもよりますが、8時間行って、8-9列の縫い付けができました。同僚は1日で端まで終えるそうです。すごい!





縫い付けが終わりました。乾杯!





続いてテープを貼って、縫い付け部や羽布の継ぎ目を覆います。テープの素材は羽布と同じですが、熱をかけて収縮させたものと、させていないものがあります。場所によって2 inchesと3 inchesの2種類の幅のものを使い分けます。





まず接着剤を主翼側に塗り、そしてテープを貼っていきます。縦と横、どの組み合わせで行うと互いを保護できるか、また美しく仕上がるか、計画を立てて行います。





曲面はそれほど急ではありませんが、難易度の高い部分です。ここには熱処理されていないテープを用い、時間をかけて仕上げます。





きれいにできました。





丸いインスペクションホール部は意外にも大変でした。何か解決策があるといいのですが。





接着剤を薄めて、全体を塗っていきます。 





塗装工程の第1段階。プライマー(下塗り)を塗ります。





塗装は私にはまだ未知の世界です。塗った後にサンディングをかけて平滑にしますから、プライマーはあまり神経質になる必要はありません。いい練習の機会です。





いつも表面がオレンジ―ピール(オレンジの皮状)になっていましたが、使用するHVLPの塗装システムに合わせ、規定よりも薄めて行いました。結果はご覧のとおりです。1週間放置して乾燥させ、翌週反対側をスプレーします。





2月。本来なら暖かくなる時期ですが、朝は氷点下、冬に逆戻りです。さらに1週間乾燥させ、暖かいところで表面を乾燥させながらのサンディング作業です。





一面終えるのに1日かかりました。縫い目などの凸部にやすりが当たると、羽布は簡単に穴が開いてしまいます。焦らず慎重に行います。





作業ばかりでは家計が大変ですから、月に5日程度、教官業務も行います。今日は天気が不安定です。あの雨雲が通り過ぎたら出発です。





アリゾナからお越しのブラッドさんと訓練をご一緒しました。将来は単座のPitts Specialを手に入れて、曲技飛行競技に参加、いずれはRed Bull Air Raceに出場したいと夢を語っていました。応援しております!

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